皆様こんにちは、今回は3年生の内田萌花がコラムを綴らせていただきたいと思います。
言葉を紡ぐことは昔から好きなのですが、コラムを書くにあたり、どうすれば皆様に届く文章になるのか、毎回悩むばかりです。
コラムを書く機会を与えていただくことは、皆様に当団体に所属しているメンバーがどのような人間であるのか、少しばかりお伝えできる機会になるのではないかと嬉しく思っております。
たった数ページ、数百字かもしれませんが、皆様と一緒に同じ時を過ごせるコラムに感謝して思いを馳せたいと思います。
さて、今回皆様と考えていきたいテーマは、ずばり、皆様の将来です。
とある企業がここにあります。
皆様は、この企業への就職が決まっています。
ずっと願っていた企業への就職です。
しかし、あなたはとあることから全治3か月の大怪我をおってしまいました。
社長はあなたに言いました、「そんなことは関係ない。君には今すぐに、365日無休で仕事をしてもらう。大事な仕事だ。君の代わりはいない。もし君がその怪我を理由に仕事を休もうもんなら君の大切な人の命の保証はない。衣食住は保証されているがすべて自分で準備してくれ。睡眠は1日にせいぜい2,3時間程だろう。あ、ちなみに給与や賞与、その他手当は一切出ないからね。じゃあ今からよろしく。」
さて、ひどい会社ですね。日本の労働法はどこにいったのでしょう。皆様はこんな企業に就職したいでしょうか。私なら嫌です。お休みがきちんとあって、お給料がもらえて、そんな会社に勤めたいと思うでしょう。
実は、世界中にこのような労働条件の下で働いている人が大勢います。特に日本は多いと言われています。誰だかわかりますか?その人は「母親」です。
専業主婦の月給は19.4万円というデータがあります。これは、女性の平均時給を家事関連時間にあてたものです。女性が専業主婦になる場合、男性はこの月給を女性に支払う必要があります。また、こどもが生まれた場合、育児関連時間が追加されるため、月給は跳ね上がります。こどもが増えるとさらに時給は上がります。単純計算をしても男性はそこそこ稼いでいなければ払えない金額だとわかります。自分がもらったお給料の中から奥さんに月給を支払うのですから。奥さんにわざわざなんでそんなお金を払う必要があるのか。そう思った男性もいるかと思います。では、仮に家政婦を雇ったと考えてください。家政婦さんは仕事で忙しいあなたの代わりに家事も育児もこなしてくれますが、お給料を払う必要があります。では、その人が奥さんになった瞬間になぜ1円も払う必要がなくなるのでしょうか。夫婦なんだから夫が仕事をしている分、家にいる妻が家事育児はするのが分担ではないか。では、家にいると労働ではなくなり給料を払う必要がないのでしょうか。家政婦さんなら払うのに?なんだか話が難しくなってきましたね。
高度経済成長期の日本では、夫が外で働き、女性が家事、育児を引き受けるという分業のスタイルはとても合理的でした。男性は終身雇用に守られクビになることは少なく、年齢が上がるにつれお給料も上がっていきました。男性は妻とこどもを養う余裕がありました。女性は外では働かず、その代わりに家事、育児を担い、男性が稼いだお金で少しばかり贅沢な暮らしもできました。
しかし、今は違います。終身雇用は約束されず、不景気でボーナスが出るかどうかわからない、以前ほどのお給料がもらえないなど、男性の給料だけでは妻とこどもを養うことは難しくなってきました。実際、共働きをする夫婦は年々増加しています。
ここで問題となってくるのは、共働きをしているのにも関わらず、家事、育児は未だに高度経済成長期の分業スタイルを守り続け、女性が担っているということです。
子育て世代の男性の1日の家事、育児関連時間は、1時間23分です。一方、女性は7時間34分です。日本人の男性は世界の男性と比べて家事、育児をする時間が極端に短いのが現状です。先進国の中ではワーストで、開発途上国と比べても日本の男性の家事、育児関連時間は短くなっています。また、日本の女性の育児休業取得率は過去10年を見ても80%を超えているのにも関わらず、男性はたった5%です。その他、介護を理由に退職する人のうち女性が7割を占めています。
共働きの夫婦のうち、男性の約8割が家事を、約7割が育児をしていません。
これでは、社長が全治3か月の怪我をしている女性に「そんなことは関係ない。君には今すぐに、365日無休で仕事をしてもらう。大事な仕事だ。君の代わりはいない。もし君がその怪我を理由に仕事を休もうもんなら君の大切な人の命の保証はない。衣食住は保証されているがすべて自分で準備してくれ。睡眠は1日にせいぜい2,3時間程だろう。あ、ちなみに給与や賞与、その他手当は一切出ないからね。じゃあ今からよろしく。」と言った後で、「あ、そうそうそれと加えて明日から怪我をする前と同じ仕事もしてもらうからね、」と言っている状態です。
思わず「無理」と抗議したいところですが、大事なこどもの命がかかっています。無理なんてなかなか言えたものじゃありません。しかも自分が望んだ就職先なのです。子どもを持ちたいと望んだからにはそう簡単に投げ出すこともできません。
実際この職場で働いてきた女性は皆様の周りにもいるのではないでしょうか?皆様のお母さまもそうだったのではないでしょうか?そしてこのままでは皆様もそうなってしまうのではないでしょうか?私はいい旦那さんを見つけるから大丈夫と思っている皆様の弟やお兄様、周りの男性は家事をしていらっしゃるでしょうか。
日本政府は現在、女性の社会進出にたいへん力を入れています。少子高齢化が進み、労働生産人口が減少している今、家にいる女性が外に働きに出てくれれば立派な労働力となります。そのために財務省は女性が社会進出をするための軍資金として資金援助をしたこともありました。
しかし母親となった女性が求めているのはお金でしょうか?
女性をそうしたひどい労働条件から救うための手段としては2つの方法があります。
1つ目は女性が働きやすい環境を作ることです。例えば託児所の増設、家事時短のための家電が安く買える、などなどです。女性は家事育児の時間を短縮し仕事に充てることができます。
けどこれって女性が全部やっていることに変わりはありませんよね?
女性が本当に求めているのは、旦那さんの協力です。一緒に頑張ってほしいのです。仕事も家庭も。あのいじわるな社長に物申すことができるのは旦那さんだけなのです。
また、女性も労働条件の改善を求めて社長に抗議していく必要があります。
そうすることで、あのいじわるな社長は解任されます。またあなたは功績が認められ、その企業の新しい社長に就任します。
さて、あなたはどんな会社を未来の若者にのこしていきたいですか。
望んでいた職場に就職が決まった若者に、「おめでとう。これから一緒に頑張っていこう。」
そう声をかけられる社長に皆様がなられることを祈っております。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
初めてコラムを目にされた方も、何度もコラムを読みに足を運んでくださっている方も、読んでくださる皆様があってのコラムです。文章は人の目に触れて初めて生を成すものだと思っております。是非、他のメンバーのコラムに込めた思いも読んでくださいますと幸いです。
内閣府(2018)「内閣府・男女共同参画推進連携会議 平成 30年版 データ」
file:///C:/Users/moeka/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/693BQQ5I/1siryou1%20(1).pdf
白河桃子 是枝俊悟(2017)「逃げ恥にみる結婚の経済学」
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から