今回コラムを担当させていただく、Bridge for Children, KGU 2回生の木村美憂です。
今回のコラムでは、SNSについて書いていきたいと思います。
先日、プロレスラーでテラスハウスにも出演されていた木村花さんがお亡くなりました。詳細は明かされていませんが、SNSでの誹謗中傷が原因ではないかと言われています。この件を受けて、SNS上の誹謗中傷について著名人を始め様々な議論や意見が連日なされています。
以前には、元f(x)のメンバーであるソルリさんや元KARAのメンバーであるク・ハラさんが同じ理由で命を自ら絶ちました。SNSの匿名性や誹謗中傷を問題視する声が相次ぎ、「言葉が時に刃物になる」ということをテーマとした日本テレビのドラマ『3年A組』が放送され、反響を呼びました。しかし誹謗中傷を行う人は後をたたず、今回また1人の尊い命が失われました。こうして今SNS上の誹謗中傷が再度問題視されていますが、また少し時間が経てば風化してしまい同じことが起きるのではないかと思うと恐ろしくなります。
今回はなぜSNSでの誹謗中傷が無くならないのか、なぜ誹謗中傷をしてしまうのかを私の中で考えました。
1つは、幸せそうな人に対して「少しは傷ついて欲しい」「不幸になってほしい」と言う気持ちです。SNSでは、みんなが楽しそうでキラキラしています。美味しい物を食べた、旅行に行った、恋人にプレゼントを貰った、誕生日をお祝いしてもらった。みんな毎日が充実していて幸せで、悩みなんて何も無さそうに見えます。でもそれは日常の「プラス」な面に焦点を当ててSNSではシェアされるからですよね。特に芸能人は、容姿端麗でお金があって応援してくれるファンがいて、何一つ不自由していないように私にはたまに思えてしまいます。一方で仕事が上手く行かない、人間関係で揉めてしまった、お金が十分にないなど、幸せではない自分と対照的な彼らに攻撃してしまうのではないかと思います。私は自分が上手くいっていないとき、同じような状況の友人の話を聞くと少しホッとしてしまうことがあります。SNSを通してそういった負の感情が顕著に現れ、また簡単に誰かを攻撃することを可能にしたのではないでしょうか。
2つ目は、正義感です。例えばある著名人が不倫をした時、「許されない不貞行為だ」「償いを受けるべきだ」という自分の中の正義感から過度な中傷を行うことがあります。今回も木村花さんが亡くなったことを受け、彼女に対して誹謗中傷のメッセージを送っていた人達に矛先が向かっています。正義感をもとに行っているため、自分が誹謗中傷をしているのだと自覚がない人も中にはいるかもしれません。何か悪いことや間違ったことをした人に対して振りかざす正義が「批判」ではなく「誹謗中傷」になっていることがあるのではないでしょうか。
誹謗中傷をする理由はそれぞれ異なると思いますし、上記の2つは私の主観的な憶測でしかありません。「誹謗中傷を受ける側も1人の人間です」と言う言葉をよく聞きますが、誹謗中傷をしてる側はそれを分かった上でしているように感じます。匿名性を利用して人を傷つけ攻撃することは卑怯で最低の行為で、そういった行為に対してはしっかり法的措置が取られるべきだと思います。ですが誹謗中傷の基にあるものは、私たちにも無縁ではないように感じます。「SNS疲れ」という言葉もあるように、便利なツールである一方SNSは私たちにとってマイナスの影響になることが多くあります。SNSなどを通して他人と自分を比べ不快になってしまうのであれば、SNSと距離を置いてみることも大切です。批判や意見を持つことは重要ですが、中傷になっていないか一度立ち止まって考えることも大切です。
誹謗中傷を行う人たちにどんな言葉かけたら止められるのか、響いてくれるのか、私には分かりません。もしかしたら彼らには何も響かないのかもしれません。ですが、誹謗中傷を行っていない人であっても彼らの何処かにあるマイナスの感情が加速してしまわないように、SNSとの付き合い方を今一度見直すべきだと思っています。
優しさと愛に溢れた世界になることを願うばかりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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