これから新たな世界に飛び込むことが不安な人、今まさに目の前のことを頑張っている人へ


「これから新たな世界に飛び込むことが不安な人、今まさにもがきながら目の前のことを頑張っている人へ」

こんにちは。Bridge for Children, KGU 3年の吉田さゆりです。
新型コロナウイルスであまり外に出られない状況の中、BFCのコラムが少しでもお家の中での楽しみになれば幸いです。

私は前回、昨年の5月にコラムを綴らせていただきました。当時はちょうど大学のプログラムで参加した国際社会貢献活動で4月から8月までタイにいたので、「タイに来て1ヶ月半過ごす中で学んだことやタイに来て気づいたBFCの魅力」について書きました。前回のコラムで、帰国後にまたタイでの経験をコラムで綴りたいと書いていたので、今回はタイでの国際社会貢献活動のまとめをお伝えしたいと思います。

私にとってタイは「色々な自分に出会えた場所」です。私は普段から人前で自分の感情を出すことやぶつけることが苦手です。嫌なことがあってもその感情に蓋をして自分でも気づかないふりをする癖があったので、気を許せる家族や友人の前で愚痴をこぼすことはあっても、感情的に怒ることや泣くことはほとんどありませんでした。しかし、タイでは毎日新しいことに触れる生活の中で、1日でも早く業務に慣れるようたくさんの作業を頭に叩き込む日々を送っていたので、自分の感情をコントロールする余裕がありませんでした。1日の業務が終わり帰宅してからは1人で過ごすことが多かったので、自分と向き合う時間がたくさんありました。なので、自分の失敗が悔しくて涙が止まらなかったり、辛くて苦しくて我慢できずに母に電話をかけ1時間以上声を出して泣いたり、普段の自分からは想像もできないぐらい色々な感情をストレートに出す自分に出会うことができました。また、上司からご指導いただく中で、自分ができていると思っていることができていなかったり、学生と社会人として求められるレベルのギャップに苦しんだり、今までとは比にならないぐらい落ち込んだり、自分の無力さを痛感しました。

タイでの生活は苦しいことだけではなく、もちろん嬉しいこともたくさんありました。タイ人はとても心温かい人が多く日本が大好きで、すぐに私のことを受け入れてくれました。昼休みに一緒に昼食を食べたり、たくさんおやつやフルーツをもらったり、休日にマーケットに連れて行ってもらったり、本当に面倒見の良い人たちばかりです。私が帰国する際には、手紙や私の大好きなタイティーを渡して、「いつでも帰っておいでね」と言ってくれて、本当にたくさんの愛情をもらいました。

そんな自分の知らない自分に出会えたタイでの生活を通して、失敗も苦労も上手くいかないことも数えきれないぐらいありましたが、色々な経験をしたからこそ人間として成長できたと思います。以前の自分よりも強くなりましたし、色々な価値観に触れることで視野も広がりました。なので、新しい挑戦が不安になった時はタイでの経験を思い出し、自分が新たな一歩を踏み出す勇気の源にしています。

私は、留学や国際社会貢献活動など様々な素敵な経験をしてきた先輩方から、「すごく楽しかった」「もう一度戻りたい」という前向きな言葉を聞くことがほとんどでした。もちろん、それぞれ苦労や辛かった経験を乗り越えたからこそ出てくる言葉だと思います。私はタイに行って貴重な経験ができて本当に良かったと思っていますが、正直「もう一度あの5ヶ月に戻りたい」という言葉がすぐに出てくる程、先輩方のように強くも刺激を楽しめる余裕もありません。たまにタイの写真を見返すと、あの頃の気持ちを思い出して少し胸がざわめき何とも言えない感情になります。それは、私があの5ヶ月を当時よりも上手く乗り越えられる自信がまだないからだと思います。ですが、あの時の自分よりも確実に前向きに困難に立ち向かえると言いきれます。自分の無力さに苦しくて涙が止まらない経験をしたからこそ、今度は苦しみと向き合うことよりも困難を乗り越えることに集中できると思うからです。だからこそ、今度タイに訪れる時には成長した姿を見せられるよう、卒業旅行でタイに行くまでに早く成長することが今の私の目標です。

あっという間に新しい年が始まってから3ヶ月が経ち、もうすぐ新しい季節を迎えます。これから不安を抱えながら新しい世界に飛び込む人も、今まさにたくさん苦しみもがきながら明るい未来のために頑張っている人もいると思います。ですが、人は色々な感情や経験をすることで、きっと何倍も強くなり成長します。なので、少しでもそんな皆さんの不安な気持ちや少し弱った心に寄り添えればと思い、今回敢えて綺麗な言葉だけでまとめるのではなく、赤裸々にありのままをお話ししました。少しでも皆さんの一歩を踏み出す勇気や希望につながれば幸いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。また次回のコラムも読んでいただけると嬉しいです。