コーヒー一杯で国際協力


こんにちは。今回初めてコラムを綴らせていただきます、Bridge for Children,KGU 2年の佐藤夢乃です。

みなさん、毎月20日は何の日か、ご存知ですか?実は、今日本に1530店舗(2019年12月31日時点)あるスターバックスでは、毎月20日を「Ethically Connecting Day ~エシカル(倫理的)なコーヒーの日~」としています。毎月20日前後にアイスのドリップコーヒーを注文すると、フェアトレードイタリアンローストというチョコレートやカラメルとの相性がいい、深入りのコーヒーが提供されています。この豆には、国際フェアトレード認証ラベルがついています。

 ここで質問です。

 フェアトレードってなんですか?

日本ではたくさんの途上国で作られた日用品や食料品が販売されています。バナナ一つでも数種類あり、価格もそれぞれですね。皆さんは何の基準でその中の一つを決めますか?
「このバナナは誰によって、どこで、どんな環境でつくられたのか」を知ること、環境や人権に対して十分に配慮された商品やサービスを選んで買い求める『エシカル消費』の一つがフェアトレードです。途上国で生産された製品が、先進国で安価で売られる現状。その裏には、途上国の生産者は正当な賃金を得られなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使われ、環境が破壊されたり、さらに生産者の健康に害を及ぼす事態が起こっています。また、貧しい家族を支えるために、子ども達が生産の手伝いをしたり、児童労働をさせられているため、学校へ通うことができない原因にもなっているのです。つまり、途上国で作られた製品を適正な価格で、継続的に取引を行うことで生産者の生活を持続的に支える仕組みがフェアトレードです。

「フェアトレード」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、日本での認知度は32.8%です。(2019年時点) この数字をどう捉えますか?一人当たりのフェアトレード消費額が最も高いスイスの認知度は80%に及びます。また、フェアトレードの始まりであるアメリカでの、フェアトレードラベルがついた製品の売り上げは、世界で最も多い1,178億円です。一方で日本はたったの10億円です。

日本におけるフェアトレードの認知度が低いことがなぜ問題かというと、消費者が、購入する商品がフェアトレードであるかどうかを気にしていないため、企業がフェアトレードに積極的に取り組めないからです。欧米では、消費者がフェアトレードについて理解し、選好するため、企業は消費者に選ばれるために、フェアトレードに積極的に取り組むというサイクルが生まれるのです。フェアトレードの認知度を上げるためには、
1.教育で取り入れること
2.メディアがとりあげること
が必要だと思います。そうして人々の意識が高まれば、行動が変わり、日本の店頭でもフェアトレード製品が並び、簡単に手に入るようになるのではないかと思います。フェアトレード製品を購入することではなく、当たり前のことに変わるのではないでしょうか。

そのために、今すぐに私たちができるエシカル消費には大きく5つあります。
1.リサイクル素材を使ったエコ商品を選ぶ
2.フェアトレード商品を選ぶ
3.児童労働によって作られた商品を使わない
4.地元の産品を買うことで輸送エネルギーを削減する
5.森林資源を使用したFSC認証商品、水産資源を守って獲られたMSC認証商品を選ぶ
この5つのエシカル消費を一人でも多くの人が意識することで、企業のフェアトレードへの取り組みが積極的になるだけではなく、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できます。

コロナウイルスの影響で、色んな当たり前が当たり前ではなくなった。会いたい人には会えず、行きたいところには行けず家にいる時間が増えた今だからこそ、経済発展よりも人間のあり方について考える機会が増えればいいなと思います。私たちの豊かな生活が持続するために、そして、誰ひとり取り残されない世界を実現するために、このコラムを通して、自分にできる国際協力とは何かを考えるきっかけになれば幸いです。

参考文献
https://research.nttcoms.com/database/data/001237/
(NTTコムリサーチ)
https://www.fairtrade-jp.org
(Fairtrade Japan)
https://www.caa.go.jp/…/consumer_…/public_awareness/ethical/
(消費者庁)