こんにちは。新緑に溢れ、心地のいい天気が続いていますね。今回のコラムはBFC2回生の清川いとが担当します。初めてコラムを書くので不慣れな部分もありますが、最後までお読みいただけると嬉しいです。

 

今回は原子力について取り上げさせて頂きました。私の祖父母は福島県いわき市の臨海部に住んでおり、幸い東日本大震災で大きな被害を免れることが出来ましたが、震災後原子力の問題に悩まされています。

原子力への関心は、コロナウイルスの流行によって薄れていましたが、4月13日に日本政府が福島第一原子力発電所の放射性物質を含む処理水を海洋放出することを発表したことで、再び注目されるようになりました。放出開始は二年後の予定ですが、漁業組合や世界各国からはこの決定に反発や批判が相次いでいます。皆さんはこの決定に対してどのようにお考えですか?

 

世界の国々が脱酸素化している中、日本も2025年までに温室効果ガス排出ゼロを目標に掲げています。原子力発電は、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないことや燃料価格に発電のコストパフォーマンスが高いことでこれからさらに需要が増えるのではないかと考えられます。しかし、日本では東日本大震災以降、マイナスイメージが付きまとっています。日本で原子力にマイナスイメージが根付いた要因は2つあります。1つ目は日本の教育やテレビなどで原発や放射性物質が取り上げられることが少なく、一般の人々の知識は乏しいことです。人々は原子力という未知の存在に過剰な恐怖を感じています。また、日本政府の情報開示が少なく、政府への信用度も低いことから原子力の支持率は低いです。一方で、電力の約7割以上を原子力に支えられているフランスは多くの国民の支持を得ています。それは日常的に原子力についてのテレビ広告や見学ツアーなどを開催し、国民の理解を促しているからです。また、積極的な情報開示や科学者における信頼が厚いことなども支持率を上げる要因となっています。しかし、国民の理解が得られているフランスでも核の最終処分で苦悩しています。原子力発電の経済的な面や安定した電気供給のメリットを考慮しても、事故が起こった場合の被害は大きく、いまだに解明されていない放射性物質は人間のみならず、様々な影響を及ぼすことが予想されています。また、放射性廃棄物は年々蓄積されていきます。処理問題は時が経つほど深刻になっている状態で、私達は常に将来を見据えて行動していく必要があるのです。

 

 現在、インターネットの普及によって一瞬にして情報が飛び交い、地元の人々は根拠のない風評被害に苦しんでいます。また、得体の知らないものに故郷を汚染されることへ憤りを感じています。私達はこの機会に原子力や放射性物質について調べ、正しく判断し、未来について考える必要があるのだと感じます。コロナウイルスの流行によって様々な課題が将来に先送りにされています。しかし、手遅れになる前に、無知の状態から脱却し将来性のある選択をしていかなければなりません。

今回のコラムで原子力問題に関心を持っていただければ幸いです。また、東日本大震災で被災した皆様の復興を心から願っております。

 

最後まで御覧いただきありがとうございました。

 

エネ百科(2013)「フランスのエネルギー事情」(情報取得日2021年4月20日)

https://www.ene100.jp/column/1419

 原発特設サイト(2021)「原発事故10年 トリチウム水・処理水どう処分する」(情報取得日2021年4月20日)

https://www3.nhk.or.jp/news/special/nuclear-power-plant_fukushima/feature/article/article_06.html