教育の重要性 2023/7/10

みなさん、こんにちは。

夏至を迎え夜が短くなり暑い季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

今回のコラムは、Bridge for Children, KGU 4回生の近藤陸人が担当いたします。是非、最後までお付き合いお願いします。

 

さて、みなさんは普段どのような目的で学習を行っていますか?

大学の授業の単位を取って卒業するため?自分の興味のある分野を掘る下げるため?

研究を行うことで論文を世間に公表し、学問分野の発展に寄与するため?

 

おそらく、みなさん多種多様な目的や目標をもって日々学習を行っていることでしょう。

 

 

“The more I learn, the more I realize I don’t know. The more I realize I don’t know, the more I want to learn. “ 

- Albert Einstein

 

これは私が日々学習のモチベーションとしているアインシュタインの名言です。

研究を行っていると自分の無知さや知らないことの多さに圧倒されることもありますが、それを新しいことを知ることのわくわくさへと変換しようと心がけています。

 

前置きが長くなりましたが、今回のコラムでは、私の研究分野である国際法の視点から「教育の重要性」について綴っていきます。

 

そもそも、なぜ人々は教育を受ける必要があるのでしょうか。

答えは簡単です。教育とは人が生きていくうえで欠かせない人権そのものであるからです。

 

国際法の視点で見ていきましょう。

 

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(通称A規約)では、「締結国は教育においてすべての者の権利を認め、教育で人格形成や事本的人権の尊重の強化を行うこと」が記されています。(外務省、2022) 

 

また、A規約に関する有権解釈である一般的意見第13号によると、教育とは人権そのものであり、他の人権を実現するために欠かせない手段である。そして、人々を貧困から脱するための手段であると述べられています。(徳永、2019)

 

国際連合教育科学文化機関憲章(UNESCO憲章)の前文では、人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、相互の関心をもって果たさなければならない神聖が義務であるとされています。(UNESCO2022)

 

このように、教育の重要性は国際的に拘束力を持つ憲章や規約で成文化されています。

 

先進国での教育の重要性とは、皆が教育を受けることができることを前提とし、初等・中等・高等教育を経て学術的な成果を残すことや発明をするといった、表立った所産について述べる際に用いられることが多いと考えます。

 

しかし、我々がフォーカスすべきところは途上国にあると考えます。

彼・彼女らにとって教育の重要性とは、自己の人権や尊厳を守るための手段を獲得し、参政権や社会権、公正な裁判を受ける権利など他の人権を実現するためであると私は考えます。

ここへの世間の関心や認知が高まることが、世界に遍在する教育に関する格差の解消への第一歩となるのではないでしょうか。

 

多くの人が当たり前に受けることができると考えている「教育」について、みなさんに今一度考えていただくきっかけを、このコラムでご提供できたでしょうか。

 

 

私たちBridge for Children, KGUは、関西学院大学の神戸三田キャンパスを拠点として、日本の小学生~短期大学生に向けて「国際理解教育」と題し、メンバーが実際に肌で感じた日本や世界の現状、教育問題を含めた社会問題などを授業形式で行う機会を設けております。

 

少しでも活動に興味を持った方は、ぜひ一度ミーティングにお越しくださいね。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

<参考文献>

外務省(2022) 経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約) 全文

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2b_001.html

徳永理華(2019) 「国際法における教育を受ける権利から見る日本の教育課題」

https://keiolaw.org/wp/wp-content/uploads/2019/06/p153.pdf

 

植木俊哉・中谷和弘(2022) 国際条約集2022