未来の創造者


こんにちは。総合政策学部3年の池沢友里です。

 

突然ですが、New York Times で発表された2019年の「Person of the year(時の人)」が誰なのか知っていますか?そうです、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリー氏です。

「How dare you! (よくもそんなことを!)」

と言っていたのが印象的でしたね。

 

では、この言葉はどのような事、また人に向けられた言葉だったか、皆さんは覚えているでしょうか。

 

この言葉の前後を書くとこうなります。

「私はここにいるべきではない。海の反対側の学校へ戻っているべきだ。それなのにあなたたちは、私たち若者のもとに希望を求めやってくる。 よくもできるものだ。

あなたたちは空虚な言葉で、私の夢と子ども時代を奪った。(省略)」(テレビ東京)

これはグレタ氏が国連総会で大人たちに向けたメッセージでした。

 

しかし日本やネット上ではこのよくも〜という言葉だけが有名になってしまいました。

 

彼女のスピーチに対するコメントにはこんなものがありました。

「人を睨んだり、恨んだりするのはどうだろうか。」

「これが差別主義者なんだろうな。

言いたいことがあるならちゃんと手続きを踏んで討論でもなんでもすればいい。」

「子どもだなぁって感想しか出ない。」

 

これは彼女のスピーチを取り上げたBBCの動画にあったコメントです。

確かに、彼女の言葉、表情には強い印象を与えるものがありました。

しかし、その姿や強い言葉以上に私たちが受け取らなければならなかったメッセージが

彼女のスピーチの中にあったのではないでしょうか。

 

そのスピーチとつながる事例を一つ、紹介したいと思います。

最近なにかと耳にすることが多いSDGsですが、これは、先進国と途上国が一丸となって、貧困や自然環境の問題を解決して、地球をもっと良くして行こう!そのためには17のことを改善する必要がある。これを目標に世界全体で頑張ろう!といういわばより良い世界を作るための17カ条なのです。

 

 

では、期限はいつまでなのか。ご存知ですか。

目標というのは「いつまでに」という期限が大切だと思うのですが、このGoalsの制限時間は、あと10年です。

 

我が国日本の現在の達成度はどのくらいなのでしょうか。

162カ国の中で15番目に達成度が高いです。

また、達成度を偏差値にすると、日本のスコアは77.7です。 かなり上位です。

 

では、いくつのゴールを達成できたと思いますか。

 

17個中の2つです。

 

意外ですか?

さらに他の国の個数を見てみましょう。

 

達成度1位の国、デンマークでは3つ、

中国で39位の2つ、韓国で18位で0。

なんとアメリカは35位で達成できたゴールは0です。

 

あと10年で達成できそうですか。

達成できなくとも、改善の方向に向かっているのでしょうか。

 

地球の問題を解決しようと決めたのに、

それに対する働きかけが遅いと思うのは私だけでしょうか。

 

グレタ氏が伝えたかったこと。

未来の創造者である私たちは、子孫たちの将来の責任を担っている、という警告だったのではないかと感じます。

 

このゴールを達成するのは私たち一人一人ですが、このような地球規模の問題を解決するのは行政のみならず、今や企業や団体が社会を動かすアクターとなる時代です。

そして10年後、この目標に向かって走っているのは間違いなく、いま学生の私たちです。

 

彼女の言葉に私たちの未来を奪った大人たちが、私たちに将来の希望を聞いてくる。という言葉がありました。

 

そうです、このSDGsを作ったのは私たちより年上の大人たちですが、実際に達成するためにゴールに走るのは、私たちなのです。

 

ここで、最後に日本の危機について書きます。

直近の衆議院議員選挙の投票率がいちばん高かったのはどの世代だったかご存知ですか。

 

60代72%、50代63%、70代61%。

対して10代40%、30代44%そして

最下位20代34%。

 

それぞれ、上位3世代と、ワースト3世代の投票率です。

社会を変える世代の投票率がいちばん少なくて、どうやって政治に民意を反映させるんでしょうか。

 

私たちには未来を変える行動力がまだまだ足らないと、私はおもいます。

 

それから私は未来をもっと現実的に考えるようになりました。

責任を持てる大人になるために、

まずは社会を知ること、そして未来を予想すること、そこから始めて、

子どもたちが希望を語れる未来を作る大人になりたいとおもいます。